おはようございます。厳しい暑さは峠を越したでしょうか。夜には心地よい虫の声が聴こえるようになりましたね。
先日、エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が承認されるという新聞記事を読みました。
レカネマブはアルツハイマー病患者の脳内に蓄積する「アミロイドベータ」というたんぱく質を除去するよう設計されたバイオ医薬品です。認知機能が低下するスピードを27%遅らせる効果が証明されたそうです。
アルツハイマー病は大脳の記憶に関連する海馬という部分を中心に脳が萎縮していく病気で、認知症の原因となる主な疾患のひとつです。
レカネマブによって認知症の進行を7.5カ月遅らせることになり、軽度の状態を2~3年延ばせる可能性があります。認知症患者のQOL(Quality of Life)「生活の質」「人生の質」は向上し、家族の介護負担の軽減が期待されます。
公的医療保険の適用対象とするために年内に薬価が決まります。米国の薬価は年間2万6500ドル(約360万円)で、今後の国内での薬価算定に注目です。
団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年には、医療や介護などの需要が急増します。5人に1人、高齢者人口の20%が認知症患者と推計されています。2035年にはそこからさらに人口の約3分の1が65歳以上の高齢者になり、高齢化がいっそう深刻になることが予想されます。
人生100年時代を生きる私たち…単なる「寿命の長さ」から「人生の質(いかに生きるか)」へ、その生活の質が問われる時代となりました。高齢期は、長きにわたって歩んできた人生の集大成。豊かに生きることが目指され、これまで培ってきた英知を後世に伝え教える役目があります。加齢に伴う心身の変化により、障がいが生じたり、介護が必要となっても、尊厳を保持し、その人なりの自立した日常生活が送れるような専門的な介護サービスが求められます。
社会保障制度として公的介護保険がありますが、要介護・要支援状態の認定要件を満たさない場合があること、費用の自己負担があることなど、自助努力での介護資金に対する備えも必要不可欠となっています。
皆さま、夏の疲れが出やすい時期です!元気にお過ごしください。
執行役員 糸久友美
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