随分と以前、わが国には「マル優制度」がありました。これは日本国内における利子所得で課税される所得税と住民税を非課税にできる制度でした。正式名称は「少額貯蓄非課税制度」。預貯金金利が高い時代には重宝された制度だったのです。
長引く超低金利の今、貯蓄から得られる利子所得に関して非課税になったところで意味のない制度です。その考え方を踏襲したものが「少額投資非課税制度」(NISA制度)です。高金利のマル優時代の貯蓄から、低金利時代を反映した投資を誘うNISA制度へ変わったのです。
NISA制度とは、日本における株式や投資信託の投資における売却益や配当への一定の制限の元で非課税とする制度です。まさに「貯蓄から投資へ」を具現化した制度として鳴り物入りでスタートしました。素晴らしい制度です。
ところが一般社団法人投資信託協会の調べでは、NISAの認知率は81.5%と高水準なのですが、実際の利用者となると寂しい限りです。NISA口座認知者のうち、一般NISA利用者が17.1%、つみたてNISAの利用者は13.8%です。
マル優が対象としていた預貯金はリスクがなく元本が保証。それに対してNISAが対象としている投資は元本の保証はありません。そのためかNISA+つみたてNISAの利用者は全国民の25%程度でしかありません。
NISA口座を利用しない場合、投資における益金の約20%が税金で持っていかれてしまいます。仮に100万円の値上がり益が発生した場合、NISA口座を活用してしなければ実際の手取り分は80万円弱となってしまいます。
長引く低金利時代の今、「貯蓄から投資へ」の実践は、将来の豊かな生活を考えた場合、不可欠なものでしょう。その強い味方がNISA口座です。来年からはNISA口座の使い勝手が一層向上します。投資や資産形成を分かり易く広めていくことが私たちの使命です。

代表取締役CEO 山﨑泰明
Comentarios